SDGs、ESG、TCFD、TNFD、ISO31404、人的資本経営、健康経営
SDGs(持続可能な開発目標)
国際連合が提唱する17の目標と169の目標を含むSDGsは、経済、社会、環境の持続可能性に向けた方向性を示しています。目標達成期限は2030年までに設定されています。
ESG(環境・社会・ガバナンス)
企業の非財務的なパフォーマンスを評価する重要な要素で、投資家や利害関係者による
持続的な評価が行われます。
TCFD(タスクフォース・オン・クライメート関連財務情報開示)
企業が気候変動リスクを理解し、管理するためのフレームワークを提供します。企業は、自らのビジネスモデルや業界特性に応じて、気候変動リスク対策を策定し、その進捗を定期的に開示することが求められます。
TNFD(タスクフォース・オン・ネイチャー関連財務情報開示)
自然資本と生物多様性リスクを評価・管理するためのフレームワークを提供します。企業は、自然資本と生物多様性リスクへの取り組みを開示することが期待されます。
ISO 31404
これは組織が持続可能な開発目標を達成するための道策と手段を提供する国際標準です。企業はこの基準を使用して、自身の持続可能性の取り組みを評価し、改善することができます。
人的資本経営
企業が従業員の能力や健康を最大限に活用し、事業成果を向上させる経営手法です。
健康経営
従業員の健康を維持・向上させることで生産性を向上させ、企業価値を向上させる経営手法です。
これらのフレームワークや目標は、企業が社会的・環境的課題に対する継続的な取り組みを促進するためのものであり、それぞれが企業の持続可能性に対する長期的なビジョンと戦略を支えます。達成期限が設定されているものもあれば、設定されていないものもありますが、それぞれが定期的な評価と改善の対象となっています。
以下にこれらの概念の関係性を表形式で示します。
SDGs | ESG | TCFD | TNFD | ISO 31404 | 人的資本経営 | 健康経営 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
持続可能な開発目標(SDGs) | – | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
環境・社会・ガバナンス(ESG) | 〇 | – | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
クライメート関連財務情報開示(TCFD) | 〇 | 〇 | – | 〇 | 〇 | Δ | Δ |
ネイチャー関連財務情報開示(TNFD) | 〇 | 〇 | 〇 | – | 〇 | Δ | Δ |
ISO 31404 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – | 〇 | 〇 |
人的資本経営 | 〇 | 〇 | Δ | Δ | 〇 | – | 〇 |
健康経営 | 〇 | 〇 | Δ | Δ | 〇 | 〇 | – |
〇は密接な関係性があることを、Δは間接的または一部の関係性があることを示しています。
ただし、これらはあくまで一般的な関係性を示すものであり、特定の企業や業界ではさまざまな要素が絡み合い、より複雑な関係性を持つこともあります。したがって、各企業や組織はこれらのフレームワークや目標を適切に理解し、自分たちのビジネスモデルや経営戦略にどのように適用するかを検討することが重要です。
これらの概念の間に明確なヒエラルキー(階層構造)を設定することは難しいかもしれません。それらは互いに相互依存し、また、それぞれが企業の持続可能性への取り組みに対して異なる影響を及ぼします。しかしながら、これらを組織全体の持続可能性への広範な取り組みの一部と捉える視点は有益です。
この観点を踏まえ、大きな戦略的目標から具体的な運用までを表現するためのヒエラルキー(階層構造)を提供します。この階層構造は、あくまで一例であり、各組織の具体的な事情や取り組みによって、その適用や解釈は異なるかもしれません。
階層レベル | 項目 |
---|---|
フレームワーク(大枠) | SDGs |
評価基準 | ESG |
企業の対応枠組み | TCFD, TNFD |
経営手法 | 人的資本経営、健康経営 |
スタンダード | ISO 31404 |
この表では、「SDGs」が一般的な社会的な目標として最上位に位置し、それに対応するための評価基準として「ESG」が続きます。そして、「TCFD」や「TNFD」は企業がそれらの目標や評価基準に対応するための具体的な枠組みを提供します。一方で、「人的資本経営」や「健康経営」はそれらの枠組みを実際の経営戦略としてどのように適用するかの手法を表しています。「ISO 31404」は、それらすべての要素を組織が持続可能な開発目標を達成するための具体的な手段としてどのように適用すべきかの指針を提供します。
このフレームワークは、各概念がどのように相互作用し、企業の持続可能性への広範な取り組みの一部としてどのように働くかを示すことを目指しています。各組織は、自身の目指す持続可能性のビジョンと戦略に合わせて、これらの概念を適用・解釈することが重要です。
以下に、共奏バイオフィリックデザインの導入が各項目に対する有効性を表形式で示します。
SDGs | ESG | TCFD | TNFD | ISO 31404 | 人的資本経営 | 健康経営 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
バイオフィリックデザイン | 〇 | 〇 | Δ | Δ | 〇 | 〇 | 〇 |
- SDGs: 共奏バイオフィリックデザインは、特にSDG3(健康と福祉)、SDG11(持続可能な都市とコミュニティ)、SDG15(陸上の生態系)などに貢献します。
- ESG: 環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の全てに関連があります。Eに関しては自然環境の改善、Sに関しては従業員の幸福感や健康の向上、Gに関しては企業が持続可能な開発に対してどのように貢献しているかという点に影響します。
- TCFD/TNFD: 直接的な関連性は少ないかもしれませんが、共奏バイオフィリックデザインによって企業の環境に対する配慮を示すことができるため、間接的な影響があります。
- ISO 31404: 共奏バイオフィリックデザインは企業の持続可能な開発目標の達成に対する取り組みの一部として評価される可能性があります。
- 人的資本経営: 従業員の幸福感や健康の向上が、そのパフォーマンスと組織の生産性に対して明確な影響を及ぼすため、共奏バイオフィリックデザインは人的資本経営に有効です。
- 健康経営: 共奏バイオフィリックデザインの目的が従業員の健康や幸福感の向上にあるため、健康経営に直接的に寄与します。
〇は有効性が高いことを、Δは間接的または一部の有効性があることを示しています。
現代社会における持続可能性の追求は、私たち全ての組織にとって不可欠な課題となっています。その中で、共奏バイオフィリックデザインの導入は、SDGs、ESG、人的資本経営、健康経営といった各種指標への対応力を高める有力な手段となることが明らかとなっています。
上記のことから、共奏バイオフィリックデザインが社会に果たす役割をご理解いただけることと思います。
私たちは、組織の持続可能性を向上させ、未来を切り開くための新たな道として、共奏バイオフィリックデザインの導入は大変有効だと考えます。